20周年に寄せて

夢の先のきみたちへ

20周年書籍及び日刊ホイッスル!の内容も含め、すでに承知している人向けです。
知りたくない人は読まないでいてほしい。

2018年5月イベントの後 味覚がなくなるわ眠れなくなるわ激痩せするわでこんな体重いつぶりだろう!?と思い返せば
もしかして:笛文庫版発売前
まぁこうなることを見越してサイト無期限休止したんですけど。


潤英祭2018のあとがきで色々折り合いを付けたようなこと言いましたが、それにしたって私は20周年記念イベントが本当に本当に怖かった。とどめを刺されると思っていました。そんな折連載中のWで水野の引退が明かされ自分でも驚くほど動揺しましたよ、水野でこれだよ、トリオならどうなると…
そもそも何をそんなに恐れてんのって話なんですが、あの日の彼らの夢の顛末を知ってしまうことで自分の中で何かが終わってしまうのではないかと 気が狂いそうになるのを押し止めるのに必死だったような気がします。

だけど同時にこれ乗り越えたらもう怖いものなしになれる、ようやく楽になれるっていう期待もあったし、知ってしまったところで今更手を離せるはずがなかったのです。
第一そんなのは彼らの人生に対して失礼じゃないか。
私のこれは愛というより最早執着なのかもしれなくて、そこんとこは申し訳ないと思ってたりもするんですけど。

笛は現実とリンクした唯一の絶対的な正解がある、という逃げ場のないジャンルです。アニメやら舞台やらゲームやら、一応公式と呼ばれるものは色々あるけど、原作者の示すキャラクターのゆるぎない人格とバックボーンが本物の彼らの全てです。その樋口先生が設定の鬼なんてことはファンならみんな知ってる。原作を読めばわかる。だから例え語られなくても、彼らの人生が樋口先生の中にきちんとあることも当然だと思っていました。
本物の郭英士があれほどのリアリティをもって存在し続けている。凄まじい事ですよ、これは。

今回その明確な答えが示されたことによって沢山の夢や可能性は閉ざされてしまったけど、そんな未来を知る由もない中学生の彼らは色褪せるどころか相も変わらずキラキラしている。(それはそれで結構キツイことも分かったんだけど)

これまで あーあーあー知りたくない!知りたくない!!!!と耳ふさぎながらガン見してダメージ食らう、みたいな十数年間を過ごしてきたけど、むしろちゃんと知れたことで安心し、大人になった彼らに対して以前よりも現実味を持って向き合うことができるようになったような気がします。私に必要なのは寧ろ確固たる情報だったのかもしれません。(とはいえ潤慶を完全に不明のままにしておいてくれたことにはやはり感謝しかない)
まぁまだWの連載を気軽にチェックできない程度には怯えて生きてますけどね!
(本当に怖いのは今後文庫化したときのオマケ漫画じゃね?)

中学生の彼らに対し引退は英士が一番早そうだなどという印象を持つことはあれど、私はプロになってからの彼らについてはほとんど想像してこなかった。彼らの未来に理想を持たなかった。とにかく故障やなんかで志半ばの引退を余儀なくされるようなことだけは無いようには願っていたけど サッカーやってりゃそりゃ苦しいこと悔しいこといっぱいあるのは当然さ。それでも叶えた夢を全うできたのなら文句なしだ。
私は彼らと同じ時代を生きてきて、ここ十数年の日韓関係もプロサッカーをめぐる動向も見てきたから、正直英士の引退のタイミングについて嫌な想像も出来てしまうのだけど、ここは樋口先生の意図するところじゃないと思いたい。

もういいなと、ここまでだなと
英士なりにやりきった思いで引退したのわかるよ
引き際の潔さが切ないほどに彼らしい
…などと感傷に浸る隙も与えぬ第二の人生への華麗なる転身
まじかよわけがわからない
だけどほんの少しの間でも君のサッカー見てきた私は知ってる
郭英士は堅実派と見せかけて実は案外そうでもないってことをね!!

彼は本当に、走り続けないと倒れると思っているんだなぁ

そしてサッカーに限らずやり手なことも知ってたよね…そもそも経営者向きなイメージあったわ。囲碁は経済(by.大隈重信)っていうし、何しろ人を動かす力のある子だし!英士ああ見えてコミュ力高いじゃん?布施先生(@ホイッスル!勝利学)も絶賛してたもん、英士は声かけが上手いって!

それにしてもアパレル社長ておま 誰の影響だこれ
…の答えがページを2回めくった先に書いてあるという理解でいいんですかね?
はいはい若郭若郭。ありがとうありがとう。
そんでもってブランド名に自らの名前を冠した意味が「俺はヨンサじゃない、エイシだ!」ってことだったらどうする…ざわ…ざわ…

必要に迫られるまでSNSに手出さなかった英士は可愛いし
んーなんかよくわかんないけどとりあえずやってみよってなった英士も可愛いし
知り合い片っ端からフォローして回る英士も可愛いし
友達のタイムライン遡って見てみる英士も可愛いし
自分の写真がアップされてることに今更気付く英士も可愛いし
それ見て懐かしい~ってなる英士も可愛いし
その云年前の記事をリツイート(シェア?)する英士も可愛いし
その結果同期に絡まれまくる英士も可愛いし
挙句の果てにトレンドに躍り出る英士も可愛い

なんだこれ
現役引退後も英士は可愛いだらけであったか


初出の時「見たくない…見たくない…」って思いながら見るだけ見てスルーしたあの絵が、実は桜庭が撮った写真なんですよって明かされた途端ありがてぇありがてぇ…ってなった自分の現金さについては謝る。ごめん。
まさか英士の引退後の姿だったとは思いもよらなかったしさ、英士と一馬の人気投票トップ記念だったので結人が写ってないからさ、あの絵は結人目線というか、あの英士のハツラツとした笑顔はてっきり結人に向けられたものだとばかり…

桜庭&上原コンビは不思議な二人です。
主役チーム(風祭水野シゲ、ついでに翼さん?)に対する脇役の、その更に脇を固めるポジション。画面の端っこで立ち回る彼らの魅力がそのままホイッスル!という作品の奥行きになっているとすら感じていました。

ホイッスル!20周年のMVPは桜庭雄一郎です。
これまでもずっと桜庭に全幅の信頼を置いてきたつもり(笛キャラソートまさかの第2位)だったけど、そんな彼のありがたみと重要性が期待と想像を遥かに超えていたことで何故かめちゃくちゃ救われた郭英士ファンがここにいます。他の誰でもだめだったと思います。桜庭なのが嬉しかった。
笛20周年に彼の存在がなかったら絶対もっとうまく消化しきれない感情がいっぱいあったと思う。
ありがとう桜庭。本当にありがとう。

主役チームとはまた別の交友グループの中心にいるのが桜庭でその相方が上原君だと思ってる。桜庭になんでこんなに信頼を寄せてしまうかって、彼はいつだってトリオに「真田たち」って呼び掛けていたからのような気がするんですよね、この…一馬寄りでくることから伝わる彼の人間性の…(言いたいこと伝わる!?)桜庭は今でも絶対鳴海とか伊賀君あたりとも連絡取り合ってるよ、絶対だよ。そんな桜庭だからあのトリオとも良い付き合いが続くんじゃないかなぁなんて、そうだと良いなぁと思っていたから、本当に本当に嬉しかった。
英士が潤慶に会うためにホテル抜け出すシーン、単に「英士要領良いな~!」とか思ってたけどまさかあの桜庭たちは協力者のおとり役だった説に信憑性生まれちゃった…?おぉお…英士の「共にサッカーができる仲間(と書いて”ともだち”と読む!)」として桜庭&上原コンビがちゃっかり画面に写り込んでいたことにやはり意味はあったのだ…ここまで続く友情があったのだ…!!!!(むせび泣きながら)

これ結婚式に呼ぶか呼ばないかのラインで言うと、英士(トリオ)と主役チームとの間にはそこまでの親密さがあるかってーと果たしてどうだってなくらいのイメージだけど桜庭&上原コンビとは当然絶対呼び合うやつじゃーん!いや英士が結婚したのかするのかしないのかは知らんけどな

アパレル業界の先輩として英士に助言をくれたであろう桜庭の姿が見えるし
実店舗構える時には上原君が力になってくれるのも間違いない
結人はこのまま英士の会社で働けばいいんじゃね?って流れあるし
潤慶は頼んでもないのにEISHIの歩く広告塔やってるよ多分
一馬?一馬はノルマとか大変そうだけど頑張れ、お前ならやれる

そして久々に(翼さんあたりの呼びかけで)同期で集まった時にタッキーがしれっとEISHIの服着てきてヒッってなるかもしれないけど英士ももう大人なので「オカイアゲアリガトウ」くらい真顔で言えるよな そうだってもう大人だもの

彼らはもう立派にセカンドキャリアを歩んでいるけど私はこれからもプロサッカー選手を目指す20世紀末の彼らのたった数年間をひたすら考え続けて生きていきたいと思っています。描けなくなったものはたくさんあるけど、今だから描けるものもあるのではないかな。
もし私の人生が長くなればいつか「英士まだ生きてるかな…」とか思う日がくるのかもしれないね。この先の未来も私の知らないところで彼らが常に今をベストに生きていきますように。

言いたい事は以上ですが
我ながらなんでこんなに拗らせたんだろうな

2018 三枝

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